隣のマネージャーさん。~番外編~
それから悠くん達と別れて、またあたし達は2人で校内を歩いた。
「ふふ、みんな可愛かったね、着ぐるみ。」
「はは、似合ってたな……思い出しただけで、笑える……」
「やっぱり、叶多くんって……香澄ちゃんのこと、好きなのかな?」
「そうだろ、顔に出てるからよくわかるし。」
やっぱりそうなんだ……と思いながら歩いてると、人にぶつかりそうになった。
「危ねえな……」
グイッと肩を引き寄せられる。
ドキンッ
顔を上げると、すぐそこに蓮次くんの顔が。
この前のことを思い出す。
『結愛……』
「本当危なっかしいな……ん。」
「え?」
「ほら、手。はぐれたり、また人にぶつかりそうになったら危ないだろ。」
そう言ってあたしの手を握る蓮次くんに心臓がトクトクと波打つ。
心地いい空間。
「うん……ありがとう。」
きゅっと握り返すと、蓮次くんは優しく微笑んでくれた。