隣のマネージャーさん。~番外編~
「そうか、まあ、無理しすぎないように頑張れよ?」
「はい、ありがとうございます。」
「偉いわね、ソーダは。弟の面倒も見て。」
「母さんには感謝してますから。」
「…………偉いな。」
カズ先輩にも頭を撫でられた。
誰かに頭を撫でられるのは、久しぶりだな……
何か、父さんみたい。
「……ソーダ?」
「あ、えへへ、誰かに頭を撫でられるのは久しぶりだったから、ついボーッとしちゃって……あ、ヤバイ、レジ達待たせてるんだった!!すみません、それじゃあ!!」
俺は我にかえると、先輩達に一礼して部室を後にした。
……懐かしい気持ちになってる余裕なんてない。
部活も、勉強も頑張って。
兄ちゃんにも母さんにも、弟にも心配かけないように、頑張らなきゃな、頑張らなきゃ……
「……た、……か、…た……かなた、叶多!!」
「う…ん……?」
「叶多、授業終わってるぞ?」
「あれ、レジ……はっ!!買い出し行って病院行かなきゃ!!」
「あ、おい叶多……」
「起こしてくれてありがとうな!!」
俺はそう言って走って教室を出た。