隣のマネージャーさん。~番外編~


「叶多くんって、偉いよね~。」
「……ああ、頑張りすぎるところが、あるけどな……」
「それはゲンちゃんも一緒じゃん。インターハイ行った時とか……」
「貴葵はもっと頑張れよ、女にばかりチャラチャラするな。」
「え?女にチャラチャラって?」
「夕夏くんは知らなくていいことだよ~。」
「久々に全員揃ったわね。晴ちゃんも無理しないでね、大事な体なんだから。」
「晴姉ちゃん、赤ちゃんいつ生まれるのー?」
「ん?あと2ヶ月くらいかな~。」


相田家では、そんな会話がされていた。


……━━━━


俺は1人で帰り道を歩きながら、知らないうちに走り出していた。

早く、みんなに、家族に会いたい。

「はぁ、はぁ……」

走りながら肌に感じる風が心地いい。

あがる息も、高まる心拍数も、生きてる心地がして。



ガチャッ!!



「あ、叶多兄ちゃん!!」
「おかえり、叶多。そんなに急いで、もう……」
「何、どうしたのそんなに急いで帰ってこなくてもいいのに。」
「……おかえり、叶多。」
「叶多くん、おかえりなさい!!」

そんなに嬉しそうな顔して、と母さんやみんなが言うけど。

俺は、この家族が好きだから。



「…………っただいま!!!!」




もう少し、甘えることを覚えてみようと、思った。





= Fin =
< 79 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop