ファインダー越しの恋
第3章　高嶺の人
俺が小学校を卒業するころ、
福山のおっちゃんがカーカーに

｢今日日男の子は、中等教育を受けさせておかんとダメだよ｣

と言ってくれた。


当時俺は、早くカーカーを安心させてやりたいと思っていたから、受験するつもりはなかった。

卒業したらすぐに仕事について、カーカーを少しでも楽させてやりたかったのだ。


｢勝ちー、お前受験してみるか｣


カーカーは俺の受験を応援してくれた。

他の受験組が塾へ通っていることを聞いて俺も連れて行ってもらったけど、月謝のあまりの高さにびっくりして１日でやめてしまった。

仕方ないので、家で受験勉強をした。


時々福山のおっちゃんが勉強を見てくれた。

おっちゃんと出会ってなかったら、
俺の人生は全く違うものになっていたに違いない。
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表紙・目次

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