ファインダー越しの恋
炭鉱に勤め始めて間もない頃、炭鉱内で大きな爆発事故が起こった。
「おーい!爆発したぞ!」
「何があったんですか?」
「粉塵爆発だよ」
「フンジンバクハツ?」
「ああ。炭鉱内の換気が悪くなると、粉塵がたまりすぎて、電灯なんかのスイッチのちょっとした放電で引火するんだよ」
外にいた者は、応援の送風機やポンプが届くのを待って生き埋めになった者を救済に行った。
助けに行くまでに何日もかかったので、実際はほとんどが全滅だったようだ。
狭い炭鉱内から、死体が1人、また1人と運び出されていく。
その代わり果てた姿に、俺はなんとも言えない気持ちになった。
遺体は家族が引き取りに来るまで炭鉱の出入り口に安置された。
この遺体の見張りが北支で一番怖い経験だった。
夜は野犬が来ないように交代で見張りをしなければいけないのだ。
「おーい!爆発したぞ!」
「何があったんですか?」
「粉塵爆発だよ」
「フンジンバクハツ?」
「ああ。炭鉱内の換気が悪くなると、粉塵がたまりすぎて、電灯なんかのスイッチのちょっとした放電で引火するんだよ」
外にいた者は、応援の送風機やポンプが届くのを待って生き埋めになった者を救済に行った。
助けに行くまでに何日もかかったので、実際はほとんどが全滅だったようだ。
狭い炭鉱内から、死体が1人、また1人と運び出されていく。
その代わり果てた姿に、俺はなんとも言えない気持ちになった。
遺体は家族が引き取りに来るまで炭鉱の出入り口に安置された。
この遺体の見張りが北支で一番怖い経験だった。
夜は野犬が来ないように交代で見張りをしなければいけないのだ。