ファインダー越しの恋
子どもの頃よく通った、貴船神社の前を歩いていると、神社の石段からなんとも美しい女性が降りてきた。

逆光で姿がよく見えなかったが、俺にはそれがシズさんだということが分かった。


シズさんの姿を見れるのも、これが最後かもしれない・・・
この目にしっかり焼き付けておこう。


シズさんはこちらには気づかず、ゆっくりと石段を降りて家の方へ歩いていってしまった。

俺は声をかけることもできず、ただその後姿が見えなくなるまで見送った。
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