キスしたくなる唇
「えーっ、用事があるんだぁ……」
ローズピンクのグロスが塗られた唇が子供のようにとがる。
艶やかな唇はそのせいでたくさんの皺がよる。
彼女の唇を見るたびに、ある人を思い出す。ぽってりとした唇の形は好きな人の唇に似ている気がした。
「ざーんねん。怜央とゆっくりお話ししたかったな」
「お疲れ様でした」
アンジュから少し離れると、頭を軽く下げる。
ドアへ向かいながらスタッフに挨拶をしながら部屋を出た。
黒縁のメガネをかけ、背中を軽く曲げ、俯き加減で足早に駅に向かう。そうすればモデルの怜央だとほとんど気づかれない。
ローズピンクのグロスが塗られた唇が子供のようにとがる。
艶やかな唇はそのせいでたくさんの皺がよる。
彼女の唇を見るたびに、ある人を思い出す。ぽってりとした唇の形は好きな人の唇に似ている気がした。
「ざーんねん。怜央とゆっくりお話ししたかったな」
「お疲れ様でした」
アンジュから少し離れると、頭を軽く下げる。
ドアへ向かいながらスタッフに挨拶をしながら部屋を出た。
黒縁のメガネをかけ、背中を軽く曲げ、俯き加減で足早に駅に向かう。そうすればモデルの怜央だとほとんど気づかれない。