指切り
学校の帰り道を私は一人で歩いていた。
今日は悠里がバイトで、「今日はバイトなんだ」と言う悠里は少し楽しそうで、私はちょっと複雑な気持ちだった。悠里の幸せを願いたいけど、素直になれない自分がいる。
「あすちゃーん」
背後から声をかけられ振り返ると、楓香ちゃんが手を振りながら走って来る。
「あすちゃんもこっちなんだね?」
「うん。楓香ちゃんも?」
「そうだよ。一緒に帰ろう」
「いいよ」
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