指切り
「あす」
崩れそうになる私を落ち着かせようと、悠里が私の肩に優しく手を置く。
だが私は悠里の綺麗な手を弾いた。
パン、と妙に乾いた音が心に響く。
「触らないで!もう誰も私に近付かないで!!」
私は喚き散し、呆然とする二人に背を向け、走り出した。
二人の声も姿も見えなくなってやっと私は立ち止まり、息を切らせながら大声で泣いた。
辺りには人が何人かいたけど、私はそんなの気にせずただ泣き続けた。
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