闇に響く籠の歌
幕間
『ね、また出たんだって? それも今回はどこかの高校の教師だっていうじゃない』


『それ、あたしの学校』


『ホント? 凄い~』


『ね、どんな先生だったの?』


『いけずな先生。授業開始のチャイム待ち構えて入ってくるようなヤツ』


『うわ、最悪! じゃあ、遅刻扱いされた子、多いんじゃない?』


『多いわよ。あの先生に当たったら、まず覚悟しとかないとっていうくらいのレベル』


『じゃあ、そんなヤツなら死んでもよかったよね』


『うん。みんなホッとしてるよ。これで単位も安心だって』


『そりゃ、そうだわ。やっぱ、あたしたちに単位って必要なもんだしね』


『だよね~ そこまでしがみつかなくてもって思うけどさ。やっぱり、親とか気にするじゃん』


『そうそう。普通でいいっていいながら、いい成績取ったらにんまりしてるよね』


『で、やっぱり、夕べも聞こえたのかな?』


『何が?』


『ほら、例の歌よ』


『あ、かごめね。どうだったんだろう?』


『聞こえたって話だよ』


『あれ? お初だよね』


『うん。ちょっと読み専してたけど、面白そうな話してたからさ』


『そうなんだ。遠慮せずに入ってくればいいのに』


『う~ん。そうなんだけどさ。やっぱり、入るタイミングってあるだろう?』


『かもね。でも、こうやって入ってくれたんだし、これからは遠慮なしで』


『OK。で、君たちってかごめの歌に興味あるんだ』


『あるよ。だって、面白いじゃない』


『かもしれないね。じゃ、また何かあったら教えてあげるね』



< 12 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop