ヤクザは嫌い、です。


☆★☆★☆★☆


「…では、またこれからもよろしくお願いします。」



私はそう言って頭を下げた。


わざわざ朝早く出て今来ている場所は、私が小学生の頃まで通っていた道場。


一応ここで柔道を習ってたんだよね、小学校卒業するまで。…今でも不良どもを倒すのに役立ててるけど。




「あぁ。こちらこそ、よろしくね!朱莉ちゃん。」


この優しそうだけど強そうなおじさんが、柔道を教えてくれた先生で、実はーーーーー



「あー!いた!朱莉!ちょっとー、家来るんだったらもうちょっと早く連絡してきてよー!」



わっ!紗理奈。




…って…別に驚くことでもないけど…


ここは紗理奈の家の隣でやっている道場で、さっきの先生は紗理奈のお父さん。


「あ、そろそろ学校行こうよ!お父さんはほっといて!」



いつも通り、朝からテンションの高い紗理奈。


いや…ほっといてっていうか…今日は紗理奈のお父さんにご挨拶をしに来たんだけど…まぁ、いいや。






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