黒瀬くんの恋模様。


「涼ちゃん…。老けた?」




あれから30分後、麗子サンにそう言われた私はつっこむ元気もなかった。




なにより本当に老けた気がするしね…




あの後、ハル先輩にどうなったのか詳しく問いただされ




しかたなく麗子サンの話をするとハル先輩は着替えようとしたり髪をいじり出したりし始め



それを止めて連れてくるのに本当に忙しかった。






「まぁ、そこのファミレス入ろーぜ~」




相変わらずの早坂くんが先頭をきって歩いていく。




「あれがか…」



事前に早坂くんと私との関係を話しておいたハル先輩は、そんな風に私に話しかけてきた。




あれが、お前の元カレか。そんな意味が含まれた言葉を。




「はやく来いって!!!!」




ファミレスの前で大きく手を振る早坂くんを見て思った。



本当のことを知る前の私がこの状況にいたら、あんな風に手を振る早坂くんを愛しく思うのかな?




…そう考えるとため息が出てくる。




あれを扱えるのは麗子サンだけだよ。














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