黒瀬くんの恋模様。

千尋side





涼とハル先輩から逃げた後、俺と文香は行くあてもなくブラブラと歩いていた。



静かな住宅街をただ歩く



静かだったけど文香に話しかけたいとは思わなかった。




俺の3歩前を歩く文香。



さっきから文香に着いてきてるけど…どこかに行こうとしてるのか?




適当に歩いているようには見えない。



真っ直ぐいったり、曲がったり。



時おり曲がり角で少し止まったり。



文香の足元をみる。



…あ、ほら止まった。




「千尋…」




文香の声に顔をあげる。




「え?」





そこは懐かしくも見慣れた景色。



「私、卒業してから来るの初めてよ」




ここは、俺らの中学校




























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