黒瀬くんの恋模様。



「来いよ…っ」




「きゃっ」



文香の細い腕を強く掴む男。




「や!痛い…やめてトモちゃんっ!」




いやがる文香はズリズリと出入口へと引きずられていく。




「あ。」




ドアに手をかけた男はなにかを思い出したように立ち止まった。




「警察とかに言ったら、殺すよ?」



笑顔だったけど、目は笑ってなかった。




「…ふ、みか」



シーンとした空間に響いたハル先輩の声。




「お前が大好きな文香ちゃんはこれから俺にお仕置きされるよ」




ふっと笑って男はハル先輩の手を踏みつけた。




「…ぐっ」




歪んだハル先輩の顔に俺はもう黙っていられなかった。





「…てめっ」




男のもとへ行こうとしたら、涼に腕を掴まれた。




どうして?



そう思っていると




「お仕置きされるの、あんただよ」




今まで黙っていた麗子サンが口を開いた。


















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