黒瀬くんの恋模様。
何かがいつもと違うはずなのに、何が違うのか全くわからない
「どうしたの?」
ふみちゃんは不思議そうに私の顔をのぞきこむと
「きゃっ」
急にぐらっと倒れそうになった
「ふみちゃん!!!!」
私は慌ててふみちゃんを支える。
「ごめん、涼…」
「大丈夫!それよりふみちゃん、痛くなかった?」
私の言葉にふみちゃんは肩をさわった。
「大丈夫。ただ門に少しぶつけただけ」
そう微笑んだふみちゃんは本当に大丈夫そう
「…涼…」
ほっと安心しているとふみちゃんは校門を指差した。
私はゆっくりと校門を見て、そして目を丸くした。
「開いてる…」
こんな朝早くに開いてるはずのない校門が開いていた
さっきから感じていた違和感は、いつもの大きな南京錠がなかったからなんだ!
ってことは…
私とふみちゃんは顔を見合わせて頷くと校門をくぐり抜けた。