黒瀬くんの恋模様。
「…屋上、いこう!」
ふみちゃんは力強く私を見つめると足を一歩前に出す。
「あっ!」
ふみちゃんが出した足は床についた瞬間にガクッと力が抜けた
そして私にむかって倒れてくる。
「っと…大丈夫?」
ふみちゃんは真っ青な顔でこくこくと頷いた。
…もう、ふみちゃんもそろそろ限界。
「屋上、行ける?」
あんまり行ってほしいとは思えない。
ふみちゃんの体調を考えたら、すぐに休んでほしい。
…でもふみちゃんの気持ちを考えたら…
「…いく」
予想していた答えに私は頷くと、ふみちゃんの肩を抱いて歩き出した。
ここは二階。
屋上にいくためには階段を二つ登らなくてはならない。
一段一段、転ばないように二人で登っていく。
「大丈夫?辛くない?」
「大丈夫よ。涼こそきつくない?」
そんな会話をして少しずつだけど屋上へ近付いていく。