黒瀬くんの恋模様。
そしてどれくらいの時間が経っただろうか
「…開けるよ?」
重そうな扉の前にようやく着いた私たちは、ゆっくりとその扉を押し開けた。
「…ハル」
ふみちゃんの体に力が入ったのが分かる。
屋上からは綺麗な青空がよく見えて、柔らかな風が私たちの頬をくすぐる。
「…文香…。涼…」
ハル先輩はその綺麗な青空がよく見えるように仰向けに寝ていた。
「…ハル、どうしてここにいるの?」
ふみちゃんは声を震わせてそう言った
「ハル先輩!!!!」
それと同時にバタバタと屋上に入ってきた黒瀬くんと麗子サンと早坂くん。
みんな息を切らせて、汗をかいていた。
「…っ」
ハル先輩はこの状況に目を見開いて驚いていた。
「…ハル、答えて」
ふみちゃんは変わらず真剣な顔でハル先輩を見つめていた。
「…ごめんな」
ハル先輩はぽつりぽつりと話し出した。