黒瀬くんの恋模様。
黒瀬くんの顔は見えないけど、背中は少し悲しそうに見える。
「黒瀬くん?」
心配になって声をかけると、
「なーんてな、まぁ上手にお付き合いしないと俺みたいになるよ~」
突っ伏していた顔をあげて、にこにこと話し出した。
「涼ちゃんが付き合う直前に彼女振った俺みたいに、ね」
「え?え?え?」
それって、私がくる前にここで別れたってこと!?
「ど、どうして別れちゃったの?」
なんて言っていいか分からないけど、今は私の聞きたいことを聞くことにした。
だって、早坂くんに振られたくないし…
「なんつーか、片想いってぶっちゃけ一人でもできんじゃん?自分が思ってれば終わらないから。」
追いかけ続けるのに、終わりはないってことか。
「でも両思いは?二人の気持ちがなきゃ成り立たない。その重さに偏りがあっても綺麗にならない。つまり、その思いが同じくらいじゃないとどっちかがしんどくなるわけ」
始めはお互いに追いかけてたはずなのに、
いつしか、どちらかが追いかけられる立場になっちゃうってこと?