黒瀬くんの恋模様。
「なんかずっと一緒にいるってガキの頃約束したらしい。俺はずっとそれを守り続けてきてたんだと」
俺の言葉に涼は納得できないらしい。
「それだけでずっと好きだったの?その言葉ひとつでふみちゃんを諦められたの?」
これはたぶん、俺のことより文香のことを考えて言った言葉だな。
涼にこんなに想われてる文香に妬く
「文香のことは本気でずっと好きだった。でも、それはいつの間にか俺は文香が好きなんだって自己暗示になってたんだ。それが文香に他の人を好きになっていいって許されたことで、歯止めがきかなくなったっつーか…なんつったらいーんだろ」
頭を抱える俺を見て、涼は冷ややかに話始める。
「要するに、黒瀬くんはふみちゃん以外の人を今は好きなんだ?」
トゲのある言い方におそるおそる頷く。
「ふーん?話はそれだけ?んじゃ、帰る。」
涼は表情を崩さないまま、淡々と帰る準備を始める。
…なんか怒ってる?
俺がそう考えている間にも、涼は図書室を後にしようとしていた。
「…待てよ!涼!」
焦った俺は涼の白くて細い腕を掴んだ