黒瀬くんの恋模様。
涼side
『ごめん!』
その一言で私の頭は真っ白になった
あ、私振られたんだ。
ちょっと冷静になってそう思ったときに、視界が歪み始めた
…あ、やばい。
そう思った私は心配するふみちゃんに、一人にしてだなんて酷いことを言って
無意識のうちに図書室に逃げ込んでしまった。
いつも黒瀬くんと座っていた定位置に腰を下ろして、ぼーっと外を見つめる。
…黒瀬くんに迷惑かけちゃったかな
ふみちゃん傷付けちゃったかな
早坂くんに嫌な思いさせちゃったかな
そんなことばかりが頭に浮かんでは消え、消えたはずのものが涙に変わってゆく。
「…なんで好きになんてなっちゃったんだろ」
声になった、思ってもない言葉。
現実から逃げて、逃げて。
最終的に好きになんてならなければよかったって…
本当はそんなこと思ってないのに…
黒瀬くんを好きになって後悔したことなんてない。