黒瀬くんの恋模様。
涼side
「はぁっはぁっ、はぁ…」
黒瀬くんから走って逃げて、なぜか着いたのは教室。
人間無意識な時でも知らない道は行かないらしい。
一番通いなれた教室に行くなんて、私も意外としっかりしてるんだな
「どう、しよ…」
どうでもいいことを冷静に考えているのは、どうでもよくないことを冷静に考えられないから。
私は廊下から見えない壁際の席に座った。
もし、万が一黒瀬くんが追ってきてくれたとして
今会っても酷い言葉しか言えない。
黒瀬くんのことは大好きなのに
それはやっぱりお兄ちゃんみたいなもので
彼氏として大切な早坂くんに比べちゃうと、どうしても優先順位がはっきりしちゃう。
黒瀬くんが大切だから信じたい
早坂くんも大切だから信じたい
でも、やっぱりそれは現実的じゃないよね
どっちかを信じればどっちかを裏切ることになるんだから