黒瀬くんの恋模様。
「……」
なんて答えたらいいのか悩んでいると
「大地!!!!!」
背後から聞こえてきた女の人の声。
そして顔をあげると、青ざめている早坂くん。
え、何が起こってるの?
早坂くんの視線の先にあるものを見ようと振り返ろうとすると…
「あんた!何もされてない!?平気!?」
それよりも先に女の人に肩を掴まれた。
「あの汚らわしい奴に変なことされてない!?」
肩をがたがた揺らされて、もう何がなんだか分からない。
「麗子サン…!俺、涼にはまだ何もしてないから!」
女の人の手を私の肩から離してくれた早坂くんは、女の人をじっと見つめている。
…こんなに真剣な顔、初めて見た
学校では一切見せない真面目な顔。
「まだ、ってことはする気だったってことよね?」
女の人は早坂くんを見つめるというよりも睨んでいた。