黒瀬くんの恋模様。
胸に手を当てて、深呼吸をする。
傷ついてないって言ったら嘘になるけど…
いや、昨日からだいぶ傷ついてるけど…
チラリと早坂くんと麗子サンを見てみる。
「あんたはね、人の恋心をもてあそんだわけ!わかる?」
「麗子サン…」
「あんただって、私を思う気持ちを利用されて騙されて傷つけられたらショックでしょ!」
早坂くんは黙ってうつむいた。
「だから私浮気って大嫌い。私よりもあんたよりも、あの子が傷つくから。」
麗子サンは私をちらっと見て、思いっきり早坂くんの頬を殴った。
「今痛いって思ったなら、あの子にももう一発殴らせな。あの子はそれよりも痛い思いしたんだからね」
殴られて倒れる早坂くんを冷ややかな目で見ると、私の方へあるってきた。
「本当にごめんなさい。大地を繋ぎ止めておけなかった私の責任です。」
そう言うと麗子サンは頭を下げた。