黒瀬くんの恋模様。
「「…ぷ。ぷはははははは!!!!」」
私たちの会話がおもしろかったらしく、麗子サンと早坂くんは大声で笑い始めた。
一気に緊張の糸が切れたせいで、黒瀬くんも顔を歪めて笑い始めた。
こんなに笑ってる顔は初めて見た…
胸が変な音をたてた気がしたけど笑って誤魔化すことにした。
「っはー。涼ちゃんおもしろすぎ!」
4人で笑い続けて数分。
みんななぜか息を切らしている。
「涼って見た目と中身全然ちげーのな!」
早坂くんの言葉に目が丸くなる。
私のイメージってどんなのなのよ…
「涼は涼だよ」
自分のイメージについて悩んでいると、黒瀬くんの手が私の頭を撫でた。
…昨日からずっと欲しかったもの…
全部安心させてくれる、魔法のような体温。
でも、黒瀬くんが今日ここに来てくれた時に分かってしまった。
…私を安心させてくれるのはこの手じゃなくって
黒瀬くん自身だってことに…