黒瀬くんの恋模様。
「え~イケメン~。少し中入ってく?」
翌日、俺はラブホ街にいた。
さっきから香水臭い女どもがうるせえ。
「え~!お兄さんだったらあたしお金貰わなくてもいいかも!」
「相手してくれません?」
なんで真っ昼間から盛ってんだよ。
本当はこんなところ来たくねぇ。
でも、涼と早坂が今日ここにくるのは確実だ。
なぜなら、すぐそこに遊園地があるから。
遊園地デートしか手がかりがないんだ。
でも、ほんとに来んのか…?
俺が少し不安に感じ始めたころ。
「黒瀬くんっ」
後ろの方から聞こえた女の声。
やばい。
知り合いにこんなところに居るのがバレたら…
そう思いながらも呼ばれたからには振り返るしかない。
「…え?」
そこにいたのは早坂に口を塞がれてる涼。
俺のなかで何かがキレる音がした。