黒瀬くんの恋模様。
「あんな奴と付き合ってて幸せですか?あんな奴思ってて苦しくないですか?泣きませんか?」
気付けばそんな質問を麗子サンにしていた。
…あいつらは俺みたいな奴といて、幸せだった?苦しくなかった?泣いたのか?
幸せじゃなかっただろうし、苦しかっただろうし、泣いただろう。
だから離れていったんだ。
でも、じゃあこの人が早坂と居続けられる理由は?
あいつらに無くて、麗子サンにあったものはなんだったんだろう。
「幸せではないわね。苦しいし、泣くに決まってる。」
…麗子サンも、あいつらと同じ
「…じゃあどうして?」
疑問が素直に言葉になった。
「そんなの決まってるじゃない、好きだから。」
…好き、だから?
じゃああいつらは俺のこと好きじゃなかったのか?
訳が分からなくなってきた。
俺は文香に愛されてない分、あいつらには愛されてたと思ってた。
誰かの愛があれば文香の愛がほしい部分も埋まるって…そう思ってた。
埋まらなかったのは、あいつらに愛がなかったから?