黒瀬くんの恋模様。





それに気付いた瞬間、顔が赤くなっていくのが分かった。



…私、黒瀬くんが好きだったんだ




失恋したばかりなのにもう新しい恋?



自分でそう思いながらも胸のドキドキは止まらなくて



あぁ、私は黒瀬くんが好きなんだと再確認させられた。




「んじゃ、また返しに来るから」




そんな黒瀬くんの声に現実に引き戻される。



ちらっと黒瀬くんを盗み見た瞬間、さっきまでドキドキいっていた胸から変な音が聞こえた。



ズキッというか、ドクンというか



悲しさや愛しさ、虚しさを含んだ複雑な音。




なぜなら、私が盗み見た黒瀬くんのふみちゃんを見つめる目が優しかったから。




優しいだけじゃない。



すぐ壊れてしまうものを大切に扱うような、大好きなんだと一瞬で伝わってしまうようなそんな目。




「待ってるね」




そう言ったふみちゃんの目も、少したれ目がちになって愛しさを含んでいた。




もしかして、ふみちゃんも黒瀬くんが?



そう考えてしまうくらいに愛しそうな目をしていた。


















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