黒瀬くんの恋模様。
そんなことを考えていたら教室に戻る気にはなれず、屋上に行くことにした。
いつもは入れない屋上。
でも、悩んでる女の子なら入れるって噂がある。
そんなもの信じてるわけじゃないけど、試してみたい気持ちもあるし
何より他に逃げ場がない。
私たちの学年の階には空き教室がないし、図書室に行けば黒瀬くんに見つかってしまいそう。
屋上に入れなかったときはその時はその時。
そう思って屋上に向かっていく。
「ふぅ…」
屋上通じるドアの前で深呼吸をする。
目をぎゅっとつぶって、ドアのぶを回す…
「……っきゃ!!」
勢いよくドアを押し開けたせいで、ドアが開いた瞬間にバランスを崩し前のめりに倒れる。
「…っぶね!」
倒れる!と思ってたのに痛みはなくて、代わりにお腹に力強く温かい腕が回っていた。
「お前ばかなの!?」
耳元でそう騒がれ頭がくらくらする。
黒瀬くんより低くて、黒瀬くんより早口な声。