黒瀬くんの恋模様。
「違うとこにしてほしかったら、涼からお願いしてね?」
そう言って早坂くんは長くて細い綺麗な人差し指を、自分の唇に押し当てた。
柔らかい感触を感じた額に手を当てる。
触れられたところだけ熱くなっていく感じがして、恥ずかしくなった。
「んじゃ、また明日ね?」
手を振りながら出ていった早坂くん。
さすが早坂くん…
扱いに慣れてるなあ~
ちょっと悲しくなったけど、それには気づかないふり。
「ってか!誰もいないよね!?」
今さらになって、キョロキョロと辺りを見渡す。
…よかった。
誰もいな…
「ぶふふふ」