黒瀬くんの恋模様。
放課後の図書室、いつもの場所で。
俺はいつも通りの時間に来て涼を待っていた。
俺の心臓は信じられないくらいバクバクいってて、涼のことを考えるだけで胸が痛んだ。
涼に会えばどうにかなると思ってここに来たけど…どうにかなんのか?
俺はいつもと違う自分に不安を覚えた。
そして胸に手を当てて、ふっと笑う。
こんなに心臓速くして、バカみてぇ。
でも、こーゆー自分も嫌いじゃねぇな。
あぁ、早く来いよ涼。
いや、でも来たら来たで緊張して馬鹿みたいな俺を見られるから今は来ないでほしい。
それでも、やっぱり顔が見たい。
早く来いよ…
そう思う気持ちとは裏腹に、時間だけが過ぎていく。
「……」
そして、今日涼は図書室に現れなかった。