黒瀬くんの恋模様。
涼のことを考えながら歩いてたら、すぐに駅付近に着いた。
そう言えば文香はちゃんと着いてきているのか?
そう思い後ろを振り向こうとしたら
「…っぐ!」
背中に走った痛み。
そして腰に回る細くて白い腕…って、え!?
俺は恐る恐る自分の後ろを見ると、文香が抱きついていた。
「…文香?」
いつもとは全く違う様子に頭が回らない。
名前を呼んでも何の反応もしない文香。
どうしたんだよ…
ガサッ
そんなことを考えていると聞こえてきた袋が擦れるような音。
「黒瀬くん…」
声がした方を見ると…
「…涼」
俺らの方を見ている涼とその隣に男がいた。
男は俺らの方を見ていなくて、顔が見えなかった。