黒瀬くんの恋模様。




そんな俺を見て笑ったハル先輩はその場に寝転んだ。



つられて俺も寝転んでみる。



あぁ、体育館の天井ってこんなんだったんだ



初めてちゃんと見たことを冷静に考えていたとき、ハル先輩が口を開いた



「俺さ、文香が好きなんだ」



俺はその言葉に目を見開いたものの、冷静に受け入れていた。



だって、二人の気持ちは周りにはバレバレだったから。



鈍感なのは二人だけ。




俺は、この人は今日これを言うためにここに来たんだなと思った。



ハル先輩の中で覚悟が決まったってことか。




「明日、告白しようと思う」




いつものふざけた感じのない、真剣な声。




「お前の気持ちを聞きに来たわけじゃないから。聞いたところで引き下がれねぇし」




「俺は、素直に応援できますよ。他に何の気持ちがあるって言うんですか?がんばって文香とくっついてください」




優しいハル先輩だから俺に伝えたんだろうな



でも、もう気持ちが届かないと知っている相手にそれは本当に酷なことだ。




後々考えると、文香は俺のものになるから手を出すなという牽制だったようにも思える。





その時はそこまで深く考えられなかったんだ。



考えさせてくれない程に胸が痛かったから











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