鬼姫と恋の唄(仮)

「そんなに驚いた顔して、どうかしたのか？」


ニヤッと笑うと龍威は紅葉を刀ごと薙ぎ払った。



ザザザ・・・

なんとか着地した紅葉は再び刀を構えた。




あたしの動きについてこれるなんて・・・！


いや、もしかしたらあたしよりはるかに・・・。




「しっかし驚いたぜ。こんな別嬪な鬼がいるなんて聞いてなくてよ」


フッと余裕の笑みをもらす。

「・・・。」あたしを殺す気・・・あるのか、この男。


まったく殺気が感じ取れずさらに混乱していく。




再び斬りかかろうと跳びあがったが、またうけとめられ刀を組み合った。


ギシギシと重なり合った刃と刃が音を鳴らす。




「あんたの名前、まだ聞いてなかったな。鬼の姫さん」


「・・・そのうるさい口、ふさいであげようか」



タンっと一歩後ろにさがり、

足をきりおとそうと刀を振るうがかわされてしまった。





「・・・今日はここまでだ」


カチッ

龍威は着地するなり鞘に刀をおさめた。