恋音

苦しい

いまいち、今の状況が分からない。

わたし・・・倒れて•••?

むくっと這い上がった。

そのとき•••。

シャッ!!

「さやか!!起きたのか!?」

「こーすけ•••」

そこは保健室。

白いものたちが、次々と目に入る。

「あんま•••心配かけないでくれる??」

「はぁい。ごめんね•••」

「いいよ。さやかなら許せる」

ふふっと笑った。

そして初めて耕輔とキスをした。

甘くて、とろけるようなキス。

でもそのキスは嬉しくなかった。

だってそれは、耕輔が遊び人だってことを証明してしまうから。
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