恋音
自然と涙かが流れた。

「ちょ、さやか?どうした??ヤだった?」

ふるふると首を振る。

「違うよ!嫌じゃない。耕輔に愛されて幸せだってわかってる!!けど、このキス•••イヤだ。耕輔がいままで不良で、遊び人だって証明することになっちゃうから!!」

「あ•••。ゴメン•••」

ごめんなさい。

こんなのただの八つ当たりだよ。

全て上手くいかないことに対しての八つ当たりだ。

「じゃあ、初々しくキスしてもよろしいですか?お姫様?」

クスッと笑って、ワンテンポ遅れてからあたしは、

「ハイ。いいですよ、王子様♪」

と、言った。

そして、初々しさを纏ったキスをした。

そのときだった。

ガタン!!

「!?!?」

その人は、ただ呆然と立ち尽くす。

「大空翔•••先輩!?」

「わりぃ!邪魔したな!!様子見に来ただけだから•••」

先輩•••。

凄い胸が痛い。

これは•••恋の痛みです。
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