恋音
特にその場は人が多いわけではなく、誰もその声を気にしないからよかった。


「どしたの?姫?」

「さやか…。ほんとに先輩とのこと…応援してくれる?」

「えっ?」


姫はさっきと表情が一変し、穏やかな顔から、人を責めるような表情になっていた。



一瞬だけ…。



ホントに一瞬、姫のことを『怖い』って思ってしまった。


「あたし聞いたんだ。さやかが先輩のこと狙ってるって、先輩があたしのことを嫌うように仕向けてるって!」


そんなデタラメ、誰が言った?


ソ ン ナ デ タ ラ メ 、ダ レ ガ イ ッ タ ?
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