恋音
姫が、あたしが三組に行ったことを不思議に思い、ついてきたようだ。

あたしが三組に行く時は、必ず何かあるときだった。

たぶん、姫はあたしが来たから、何かあったの?と、不思議に思ったんだと思う。


「麻姫ちゃん?何してるの?―――――ッ…。」


ぽろぽろと姫の涙が床にたれていくのがわかる。

姫の透き通るような頬を伝って。


姫の顔は、怒ってる顔でもなく、泣いている時のくしゃくしゃになった顔でもなかった。


姫の今の顔は、絶望的な顔。


この説明が一番しっくりくるかもしれない。
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