恋音
「麻姫ちゃん…。あたしのこと…きょ…協力する―――――」

「そうね。そう言ったかもしれないわ。」


姫の顔が、安心した顔になる。


「麻姫ちゃん―――――!」

「でもね、あたしは協力するねって言ったの。だれのことを言ったかわかってるの?」

「えっ………?」


姫は頭の上にハテナを浮かばせた。


涙が、止まることを知らないかのように、伝っている。


「そんなの決まってるわ。あたしのことよ!あたしは欲しいものを手に入れるためなら何でもするわ!」

「つまり…それぇ…」


姫はだまされていたことに薄々気づいていたはず。

でも、どうしても友達を、信じていたかったんだと思う。
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