何も出来なくて~七夕物語~
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「『牽牛が、元気になって、帰って来ますように。――織り姫。』」



「どーせ反則だから、一桁の子どもでもしないような欲張りをしたの。


願いごとを二つ。元気になってほしいし、帰って来ても欲しい。


去年みたいに、願って待ってるだけじゃだめなんだって気づいたの。


また逢えるその瞬間まで、出来るだけのことをしていたい。


何も出来なくて、好きな人を傷つけてしまうのはもう嫌だから。


お互いが心の底からまた会いたいって思えるようになるまで、


自分に出来る事は何か。今すぐ出来る事は何か。考え続けるよ。」


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