何も出来なくて~七夕物語~
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「はい。僕たちは、短冊に願い事を書くけど、大人たちの短冊を

見た事がありません。大人はどこに書いているんですか?」



「今まさに言おうとしたのがそれです。短冊に願い事を書くのは

9歳までの子どもです。みんなは10歳になりました。

これからは大人と同じ方法で願い事をなさい。

つまり自分の心に書くのです。七夕の日に願うだけで良いのです。

今まで短冊に書いていたのは、幼いゆえに過ちを犯さないか、

つまり、無効になるような願い事などをしていないか、

まわりの大人たちに、確認してもらうためだったのです。

これからは自由に願い事をなさい。大人たちの信頼に応えなさい。

ここにいるみんなを、一人前と認めます。」



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