君恋 ~あの夏の記憶~
それからあたしと先輩は、家に着くまで一言も話すことはなかった。
「先輩、今日は送ってくれてありがとうございました。
その…マネージャーのこと、よく考えてみます。……それじゃあまた明日」
「ありがとう。また明日ね」
先輩はそう言って笑い、来た道を戻って行った。
「先輩との分かれ道からは、あたし1人でも大丈夫だったのに…」
あたしはそんなことを呟いたけど実際ちょっとだけ嬉しかった。