君恋 ~あの夏の記憶~
「おまっまじかよ…お前の隣の席の女の子だよ‼︎めっちゃ可愛くね⁉︎」
あぁ…あいつか。
入学式なのに遅刻ギリギリで登校してきた奴。
「わりぃ、顔覚えてねぇや」
「「「はぁ⁉︎」」」
「うるせーなぁ」
人の耳元で叫ぶなっての。
「お前はなんて勿体ねぇ奴なんだ‼︎あの青海結奈ちゃんと隣の席なんだぞ‼︎ほとんどの男が狙ってる場所だぞ‼︎」
…ん⁇青海結奈⁇
まさか……なわけねぇか。
あいつは確かもっと上の学校に行くって噂あったしな。
「とにかく!うちのクラスには学年トップ3が揃ってんのに陽斗は勿体無すぎるぞ‼︎」
「へぇー、とりあえず俺部活行くわ」
正直めんどくさかったから、まだ入ってもいない部活を理由にそいつらから逃げた。