君恋 ~あの夏の記憶~
「ごめんなさいっ‼︎遅くなりました‼︎」
朝練に若干遅刻したものの、何とか練習には間に合った。
「沙耶先輩‼︎ちょっと久山先生のところに行ってきます‼︎」
男バスは、今日は朝練がないみたいだったから後で颯に渡すことにした。
「久山先生‼︎とりあえず強豪校だけまとめてきました。
少しは役に立つと思うので、これ使って練習とか考えてみてください」
久山先生はその場でノートを見ると、あたしの方に向き直って
「お前、まじで天才だな。
これなら5年ぶりにインハイ行けるかもなっ‼︎」
……と言ってくれた。
「役に立ちそうでよかったです」
それからあたしと久山先生は、今年の優勝候補の話をしながら体育館に向かった。