君恋 ~あの夏の記憶~
それからの練習は今まで以上にハードになったけど、
あたしは情報収集のために毎日1時間だけ早く上がらせてもらっている。
男バスもあたしのノートを見て、練習メニューを考えてるみたいで、陽斗も毎朝汗だくで教室に入ってくる。
あたしと颯の一緒にいれる時間は、なかなか取れなくて寂しいけど先ずは地区優勝しなきゃだし、お互い部活も忙しく、充実した生活を送ってる。
「オラァ‼︎もっとしっかりハンズアップしろー‼︎
青海‼︎そこはパスじゃなくて、ダックイン‼︎お前ならそれくらいできるだろ‼︎」
練習中、久山先生に怒鳴られる何て毎日のこと。
最初は「やりなれないポジションやらせてんのはあんたでしょ」って心の中で悪態をついてたけど、
怒られないようにって思ってやり始めたら、視野を広く持ってコート全体を見渡し、正確なパスを出せるようになった。
まぁ、それでもまだ怒られるけど。
このポジションに立って、改めて茜先輩はすごいなって思った。