野球観戦&セクシー・リップ


でも、職場で知り合ったから、おくびにも出さなかった。



私の名前は谷口いずみ。


大きな総合病院の薬局で、事務の仕事をしている。


今年で7年目。

そこに2年前から医薬品の配送で出入りするようになったのが、渡瀬隆太だった。


その時、隆太は25歳。
転職したばかりだった。


隆太がコンテナに積んだ品物を、薬局の倉庫に卸す。

伝票を見ながら、私がバーコードリーダーを使って検品作業をする。



医薬品は意外に高額だ。

なんでもなさそうな一箱が何万円もしたりする。


それに同じ製品名でも、錠剤だったり。アンプルだったり、多規格だったりする。

納品に一つでもミスがあれば、病院に損害を与えてしまうから、慎重にやらなければならない。



ところが。



転職したての隆太は、慣れない仕事にまごつきっぱなし。


私も最初は不器用な奴だな…

とイラついていた。


イケメンでスタイルがいいだけに必死な顔して伝票をめくってる姿は、なんとも憐れ……


でも、性格がいいのは、すぐに分かった。





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