私にはとどかない
「おはよ!葵」

「おはよぉ↓」

あぁ、ヤバいまた元気ないよぉあたし。


「はやく席つけー」

やっぱかっこいい…
って思ってたらHRが終わった。

あたしは、すぐ南先生のところに走った。
ちょっと恥ずかしいけど先生と話したい。
「先生!」
先生はすぐ振り向いてにっこり笑ってくれた。

ドキッ…
なにこれ胸が痛い。

「どうしたんだ?」

「あっいや…別に用はないんですけど、つぎ数学ですよね?」
何、こんな固くなってんのーあたしー!!

「そうだよ?あっ!手伝ってほしいことがあるんだ。」
「あっはい!」
やったー!
なんか先生とすごい話せてる!

「この新しい教科書持ってくれる?半分俺が持つから」
「はーい!」
うれしいなぁ☆

こんなに、先生と話してるんだよ!

「重たいなぁ」
「がんばれよ半分持ってやってんだからぁ!」

「はぁい↓先生!」
「なんだ?」
「あたしの名前わかる?」
「ごめん…まだこの学校2日めだからわっかんないなぁ、すまん」
「ぢゃあ今日覚えてよ!あたしの名前!あたし、木村葵!覚えてね!せんせっ!」

知ってほしい、あたしのこと。
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop