青い残光【完】








話しかけたものの、彼の顔を見た瞬間に全部真っ白になってしまった。
だけれど、わたしから話をしないと…と思った。










「梅さん……お久しぶりです。西高でマネージャーをしてた忍野です。」








一瞬、キョトンとした顔をされたけれど……彼はわたしの名を呼んでくれた。







「………おっしー…?」







「…………」








彼の反応で、何となく分かってしまった。

どうやら…わたしは彼の中で忘れられていたらしい。







だけれど…3年ぶりの再会だ。
彼の今日までの苦労だらけの3年間を思えば、仕方ないのかもしれない。







わたしのことを覚えてくれているかな、なんて淡い期待は砕かれ……わたしはちょっとした居心地の悪さを感じた。






それは、彼も同じだったらしい。

忘れていたことを察したわたしへの罪ほろぼしのつもりなのか…彼の方から、話しかけてきた。















< 100 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop