青い残光【完】
話しかけたものの、彼の顔を見た瞬間に全部真っ白になってしまった。
だけれど、わたしから話をしないと…と思った。
「梅さん……お久しぶりです。西高でマネージャーをしてた忍野です。」
一瞬、キョトンとした顔をされたけれど……彼はわたしの名を呼んでくれた。
「………おっしー…?」
「…………」
彼の反応で、何となく分かってしまった。
どうやら…わたしは彼の中で忘れられていたらしい。
だけれど…3年ぶりの再会だ。
彼の今日までの苦労だらけの3年間を思えば、仕方ないのかもしれない。
わたしのことを覚えてくれているかな、なんて淡い期待は砕かれ……わたしはちょっとした居心地の悪さを感じた。
それは、彼も同じだったらしい。
忘れていたことを察したわたしへの罪ほろぼしのつもりなのか…彼の方から、話しかけてきた。