青い残光【完】
このユニフォームを着て試合観戦することで、彼と一緒に試合をしているようだなと思った。
実際は違うけれど……そう思えばワクワクした。
早く、このユニフォームを着て、試合に行きたい。
サインが書き終わると、彼は満足そうにわたしのユニフォームを見つめた。
「ありがとうございました」
「こちらこそ…ありがとう。」
わたしがお礼を言うと、彼もお礼を言った。
ジャリ、と彼の足元で音が鳴った。
どうやら、帰ろうとしているらしい。
わたしには、彼に聞こうかどうか迷っていたことがあった。
ずっと迷っていたけれど、今なら受け入れられると思えた。
だから、聞いてみたいと思っていたことを聞くことにした。
「…梅さん、一つ聞いても良いですか?」
「うん?」
「…えりかさんとまだ、付き合ってるんですか?」