青い残光【完】
少しの間、無言が二人の間を支配した。
彼は、決して目を合わせてはくれなかった。
考え込むようにギュッと唇を噛んでいた。
そして決意を決めたように、彼はわたしを見た。
その目を見ただけで答えなんて分かる。
……分かってる。
それは、わたしを傷付けることになることを決断した目だった。
「おっしー、ごめん……。俺にはえりかがいるから、チャンスはない。……ごめん。」
「………………」
分かり切ったことを聞いて、思ったままの答えが返ってきた。
「期待していた答え」が返ってきたのに……。
それでも、その言葉の破壊力と衝撃に、わたしは言葉を失った。
作り笑顔をしているつもりだけど、出来ている自信がない。
口元の筋肉が頼りなくヒクヒクとしているのが分かる。
今、わたしはどんな顔をしているんだろう……?
目の前の彼は、眉根をよせて、心苦しそうな顔をしていた。
……優しいんだよね。