青い残光【完】
ギュッと拳を握った。
爪が手のひらに食い込んで痛みを感じたけれど…その痛みがこぼれそうな涙を食い止めた。
せめて…あなたの前では、笑顔でいなければ……。
これ以上、困らせたくない…。
その思いが、わたしを踏ん張らせた。
引きつる顔の筋肉を、笑顔の形のままで固定させようと力を入れた。
彼のわたしを気遣うような視線は、何か言いたそうだったけれど…彼は何も言わなかった。
「………本当は分かってました…。梅さん…すみません……。」
「おっしーは悪くないよ。……ごめん。」
「………いえ……もう、大丈夫ですから!」
わたしが微笑むと、彼は戸惑っていた。話題に困っているようで、目に見えてオロオロしている。
なので、わたしは彼に助け舟を出した。